一句を読み解く89
机の上もういちど拭く夜長かな 丸谷才一
作者は作家であるから、原稿を書き終えてのことであろう。「もういちど拭く」は 念のいったきれい好きと読むより、夜長の所在なさと解したい。もういちど机を拭いて、さて、寝酒でも飲もうか、というところか。
遺句集『八十八句』におさめられた一句である。(松)
机の上もういちど拭く夜長かな 丸谷才一
作者は作家であるから、原稿を書き終えてのことであろう。「もういちど拭く」は 念のいったきれい好きと読むより、夜長の所在なさと解したい。もういちど机を拭いて、さて、寝酒でも飲もうか、というところか。
遺句集『八十八句』におさめられた一句である。(松)