季語散策26 百舌
キーイッ、キーイッと鋭い声で鳴く肉食の小鳥、秋の澄んだ大気にその声が響き渡る。
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百舌鳥なくや入日さし込む女松原 凡兆
鵙啼て一霜をまつ晩田哉 浪化
草茎を失ふ百舌鳥の高音かな 蕪村
漆掻くあたまのうへや鵙のこゑ 白雄
鵙の来て一荒れ見ゆる野山かな 蓼太
日のさして鵙の贄見る葉裏かな 闌更
鵙の声かんにん袋破れたか 一茶
柞葉のちる中鵙の尾の動く 安藤橡面坊
鵙去て木葉飛ぶ事しきりかな 篠原温亭
御空より発止と鵙や菊日和 川端茅舎
鵙日和大外刈の決まりけり 長谷川櫂