カテゴリーアーカイブ: 一句鑑賞
雲雀より空にやすらふ峠哉 芭蕉
二丁出て見る我里の霞かな 也有
一丁は約800メートル、1.6キロメートル村から離れて霞の村を見ている。(m)「季語 霞(春)」
失せてゆく目刺のにがみ酒ふくむ 高浜虚子
おのづから聞ゆるものに初音かな 長谷川櫂
「初鶯」という季語もあるが、こちらは新年の季語で、新年に鳴かせるように飼育する鶯。「初音」の鶯は立春過ぎの鶯のことである。「初音」のころの鳴声はいたって不器用で、五月のころの夏鶯の自在さはない。どちらかといえば音痴に近い鳴声であろうか。句の「おのづから」は、予期しないとき、予期しないところで耳にしたということ。「ああ、もう鶯の鳴く季節になったのか」という感慨が伝わってくる。(m)「季語 初音(春)」
おもはざる落花舞ひゆく淵の上 水原秋桜子
ほのじめりせり草餅を食べたる手 有働亨
湯気を上げている搗き立ての草もちである。ほんのり湿った指先、少し餅がくっついているのかもしれない。(m)「季語 草餅(春)」
中空にとまらんとする落花かな 中村汀女
まいまい句会 3月
選句結果アップしました。
トップは7点句でした。
作業靴脱いで花見に加はれる 松太
選句しなかった人は1人、選句しなかった人の俳句の欄はすべて抹消しました。