一句を読み解く38
脱ぎ捨ててひとふし見せよ竹の皮 蕪村
命令形の俳句である。若竹に成長しつつある竹を人に見立てて詠んでいる。「脱ぎ捨ててひとふし見せん竹の皮」という願望の形よりもさらに強い思いが現れる。「竹の皮」に呼びかけているような俳句だが、「ひとふし見せよ」といわれているのは若竹の方、本来の主体であった「若竹」が「竹の皮」に置き換えられている。「皮脱ぎてひとふし見せよ今年竹」が穏当な形だが、座五に「竹の皮」とおいたことで句にねじれが生まれている。理屈を一跨ぎした詩情であろう。(松)
脱ぎ捨ててひとふし見せよ竹の皮 蕪村
命令形の俳句である。若竹に成長しつつある竹を人に見立てて詠んでいる。「脱ぎ捨ててひとふし見せん竹の皮」という願望の形よりもさらに強い思いが現れる。「竹の皮」に呼びかけているような俳句だが、「ひとふし見せよ」といわれているのは若竹の方、本来の主体であった「若竹」が「竹の皮」に置き換えられている。「皮脱ぎてひとふし見せよ今年竹」が穏当な形だが、座五に「竹の皮」とおいたことで句にねじれが生まれている。理屈を一跨ぎした詩情であろう。(松)