存えても「すっからかん」かもしれないが、今よりはましというところか、どん底を詠んだというよりも、さばさばした心境が面白い。(m)「季語 寒さ(冬)」
どんど焼どんどと雪の降りにけり 一茶
鶯を待ちわびてゐる障子かな 平尾福
村ぢゆうの山茶花巡る雀かな 今井律子
霜柱踏まないやうに歩みゆく 子田参月
谺して真竹は雪を落としけり 根岸文夫
寄鍋やたそがれ頃の雪もよひ 杉田久女
湯婆や余生なほ死の一字ある 安住敦
手にとればほのとぬくしや寒卵 高浜虚子
生みたての寒卵、鶏の体温が残っている。(m)「季語 寒卵(冬)」