季語散策31 落葉
冬、落葉樹はすべて葉を落とす。風に舞い立つ落葉、雨に濡れる落ち葉、落葉には蕭条とした雰囲気がある。
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西吹ケば東にたまる落葉哉 蕪村
当たり前の極みであるが、それはそれで味わい。
干鮎も落葉のかをり朝の皿 飴山實
「落葉のかをり」が繊細。
鎌倉の町を埋める落葉かな 長谷川櫂
大げさ、ではあるが不自然さはない。
箒目のあつまるところ落葉焚 松本梓
目がよく利いている。
やがてまた落葉に埋まる山の墓 岩井善子
親しい人の墓であろう。思いが伝わってくる。