季語散策29 露
葉っぱの上などにできる小さな水の玉が露。秋に多くみられるので秋の季語になっている。露は朝日がのぼるとすぐに消えるので、はかないもののたとえになる。
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今日よりは書付消さん笠の露 芭蕉
書付は、笠に書かれた「同行二人」という文字。奥の細道の旅も終わりに近い頃、腹痛を起した曾良と別れる際の一句。
露の世は露の世ながらさりながら 一茶
愛娘をなくした一茶の絶唱。「儚い露の世ではあるが、それでもむごすぎることよ」
蔓踏んで一山の露動きけり 原石鼎
山の露がことごとく動いた。そんな思いにいたったということ。
金剛の露ひとつぶや石の上 川端茅舎
「金剛」はダイヤモンド。「金剛のやうな」を省略している。
億万の露の命の一つかな 長谷川櫂
人の命を露の儚さにたとえた一句。
(松)
