季語散策17 爽やか

空気が清涼であることをいいます。夏を経てきた身にはからりとした秋風がとてもここちよいものです。皮膚感覚もさることながら、目にするもの耳にするものにも爽やかさがあります。
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爽やかに屈托といふもの無しに 高浜虚子
季語の爽やかとは、もともとはさらりと乾いた秋風が吹くことをいい、さらに秋のここちよい気分をいうようになったのだが、掲句は心の爽やかさを述べている。
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爽やかに夜雨の残りし草の上 松瀬青々
夕べの雨が、草の上に残っている、ただそれだけを読んだ句だが、多くの人の共感を得るのは、誰もがこんな朝を経験しているからではないだろうか。
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水爽やかに仏性の鯉の髭 森澄雄
よく見ると鯉には口の脇に二対の髭ある。「すぐ覚めし昼寝の夢に鯉の髭」というのも同じ作者であるが、面白い所に目をつけた句だ。仏像にも髭があるが(持たない仏像もある)仏としての本性を鯉の髭に見出したユニークな句。
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爽かや何かにつけて出て歩く 長谷川櫂
とても気分の良い句。同じ外出するにしても、雨の日や暑さ寒さの厳しいときよりずっと心が軽やか。
(立)
