季語散策15 竹植う

「竹植う」という夏の季語がある。中国から伝わった行事で陰暦五月十三日に竹を植えると良く根付というもの。
竹をどんなふうに植えるのか分からないから、見過ごしていた季語の一つだったが、この前NHKのドキュメンタリー番組を見ていたら、偶然にもこの「竹植う」を見ることができた。
若竹を地下三十センチくらいのところで伐ると、地下茎の部分に細かい根がびっしりとついてくる。その若竹を三本ほど竹林を作りたい場所に移植する。
移植された若竹は先端部分が切り落とされ葉もない状態で植えられていた。竹と竹の間隔は一間ほど。移植した中国人のお年寄りは、生まれたばかりの孫に竹林を作ってやるのだという。学校に上がる頃には立派な竹林になるというから、植えてから六七年というところだろうか。
広い土地でもあれば、竹林を作って、思う存分筍を収穫したいという気にもさせらたが、十五坪ばかりの我が家の庭では孟宗竹は言わずもがな、篠竹さえも植えられそうにない。まあ、せいぜい観賞用の観音竹がいいところか。
——-
降らずとも竹植うる日は蓑と笠 芭蕉
竹植うる日の陰暦五月十三日は梅雨の真っ最中、降っていなくてもいつ降って来るか分からない、蓑と笠は離せないというのだろう。(松太)
