季語散策14 立秋

今日は立秋、二十四節気の一つです。暦の上では、この日から立冬の前日までが秋になります。立秋は一日だけでなく、八月七日ころから約十五日間が立秋の期間になります。立秋といっても一年で一番暑いころですが、朝夕には秋の気配を感じるころでもあります。
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白き花赤き花秋立ちにけり 正岡子規
昔よく目にした鳳仙花や白粉花などはちょっとした路地や、塀の下あたりに咲いていましたが、今では見かけると懐かしい感じがします。朝早い時間か夕方か、まだ開いたばかりの花に真夏とは違う風情が見て取れたのでしょう。
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風鈴も秋立つ音となりにけり 高橋淡路女
八月もお盆を過ぎると朝夕はかなり過しやすくなります。秋の気配を感じた瞬間、風鈴の音色も真夏とは違って聞こえたようです。
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秋来ぬとサファイア色の小鯵買ふ 杉田久女
サファイア色が斬新。海の色、空の色を連想させ、温度までも感じられます。 鮮度のよい魚の目は透明で美しいものですが、この鯵もきっと美味しいに違いありません。
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けさ秋の伊豆のみえたる机かな 長谷川櫂
一つおかれた文机、開け放った障子の先には縁側があり、その先には伊豆の海が見えます。水平線が何本か引かれたような構図が面白い句です。
(立)
