季語散策11 稲妻

空がひび割れるように走る光のことです。大気中に強い電気が生じて起こります。「雷」も同じ現象ですが、「雷」は音を意味し、「稲妻」は光を意味します。雷は「積乱雲(雲の峰)→夕立」に関係するところから夏の季語になり、稲妻は、稲を実らせる光と信じられている関係で秋の季語となっています。「雷」と「稲妻」、この二つの季語の違いをしっかりと把握しましょう。
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稲妻に並ぶやどれも五十顔 一茶
昔は五十歳は老人。年老いた顔が稲妻に照らし出される。
稲妻に悟らぬ人の貴さよ 芭蕉
箴言めいている。
稲妻や波もて結へる秋津島 蕪村
「秋津島」は日本列島のこと。「波もて結へる」は波に浮かぶということ。壮大な一句である。(松太)
