一句を読み解く36
野を横に馬牽き向けよほととぎす 松尾芭蕉
「牽き向けてくれ」という命令形の俳句である。馬子に命令しているのか、同行の曾良に言っているのか。「野を横に」は進んでゆく方向とは直角にということであろう、広々とした野を思わせる。ほととぎすが鳴いた方へ馬を向けよ、早くしないと聞き逃してしまうではないか。命令形に「ほととぎす」に寄せる芭蕉の強い思いが現れる。奥の細道、那須野での一句である。(kinuta)
野を横に馬牽き向けよほととぎす 松尾芭蕉
「牽き向けてくれ」という命令形の俳句である。馬子に命令しているのか、同行の曾良に言っているのか。「野を横に」は進んでゆく方向とは直角にということであろう、広々とした野を思わせる。ほととぎすが鳴いた方へ馬を向けよ、早くしないと聞き逃してしまうではないか。命令形に「ほととぎす」に寄せる芭蕉の強い思いが現れる。奥の細道、那須野での一句である。(kinuta)