一句を読み解く28

戒名は真砂女でよろし紫木蓮 鈴木真砂女
俳句は先に言ったもの勝ちというような性格を持つが、真砂女の句のような台詞めいた俳句は、尚のことその感が強い。「言われてしまったなあ」という感慨であろうか。
空へ尖がるように花を咲かせる紫木蓮の姿に位牌をイメージしているのかもしれないが、そんなこじ付けに思い至らなくても、「紫木蓮」は句にぴたりと収まっている。華やかであってしかも庶民的な花が鈴木真砂女という人に合っているのだろう。
「戒名、そんなもん真砂女でいいわよ」
一度は言ってみたい台詞である。(kinuta)
