一句を読み解く23

遠足や出羽の童に出羽の山 石田波郷
リフレインの俳句である。「出羽」という地名を繰り返すことで「これでもか」と読者に迫るのである。「出羽の童に出羽の山」という当たり前の表現がリフレインによって躍動し、「出羽の童」がぴょんぴょんと跳ねているようなのだ。リフレインのリズムの効果である。ただ、リフレインにはしつこさもあるので、その辺を考慮しながら使うのが大事。それでは、リフレインの俳句をいくつか。(kinuta)
| 京にても京なつかしやほとゝぎす | 芭蕉 |
| 大根引大根で道を教へけり | 一茶 |
| 露の世は露の世ながらさりながら | 一茶 |
| いなびかり北よりすれば北を見る | 橋本多佳子 |
| 虚子ぎらひかな女嫌ひのひとへ帯 | 杉田久女 |
| 一月の川一月の谷の中 | 飯田龍太 |
| 冬の夜の海眠らねば眠られず | 鈴木真砂女 |
| ふだん着でふだんの心桃の花 | 細見綾子 |
| 燕つばめ泥が好きなるつばめかな | 細見綾子 |
| 顔入れて顔ずたずたや青芒 | 草間時彦 |
| 寒くてもよしといへども寒さかな | 清水芳朗 |
| かくて会ひかくて別るる春炉かな | 長谷川櫂 |
| 鵜の揺らし鵜の揺れてゐる枯木かな | 長谷川櫂 |
| かかる夜のかかる寂しさ鴨の声 | 北側松太 |
| 暮れかねてやがて暮れきる冷し酒 | 村松二本 |
