春風の鉢の子一つ 種田山頭火

五・七の句である。下五を添えて完璧な五七五にしてやりたくなる。「春風の鉢の子一つたなごころ」ではあたりまえ。「春風の鉢の子一つ響きけり」なら「秋風の鉢の子一つ響きけり」のほうがいい。
「春風の鉢の子一つ」で完結していたのだろう。下五をつけることはたやすいが、捨て去ることはそう簡単ではない。たまには、自分の俳句も五文字くらい捨ててみるのもいい。違った世界が見えてくるかもしれない。
「鉢の子は」托鉢の僧が喜捨を受けるためのお椀の形をしたいれもの。(kinuta)
