リボン

プレゼントに掛けられた美しいリボン。それを解いたあと捨てられずに、箱に貯めておくようになったのは何時のころからだろう。
最近ではチョコレートや贈答のワインなどにも美しいリボンが掛けられている。子どものころ、三つ編みにしたおさげ髪の先をゴムで結わえその上からリボンを結んでいたが、あの頃は明るくはっきりとした色が多かったように思う。まだ、時代が先の戦争を引きずっていたのだろう。
箱に貯めた沢山のリボンには白や黒、ブルー、茶など子どもの頃にはあまり、お目にかからなかった色のものがある。金色の包装紙に茶色や黒などのリボンはモダンだが、今の時代こそ映えるものだろう。中には店のネームをプリントしたものや、ジョーゼットのような生地を二三枚重ねた凝った造りの物もある。
幅広のも、細いもの、箱一杯のリボンは掛けられていたプレゼントや到来ものに行き着き、親しく交わした友情や楽しかった思い出に及ぶ。蓋を取ると溢れるリボンはその懐かしいひと時につながる。結び目の皺を、熱い鍋や薬罐にあてて伸ばすことは母が教えてくれた。クリスマスも過ぎてプレゼントに掛けられていたリボンは箱に仕舞われ、パンドラの箱を開けた時のように、懐かしいひと時を蘇らせてくれるリボンとなるのだろう。(立)
