まいまい句会感想③
ちちと云ふ大樹一本大枯野 いつせ
一本の木を父と見立てた句なのですが、「云う」と断定せずに「父のごと大樹一本大枯野」で良いのではなでしょうか。「父居ますごと一本の冬欅」などいろいろ表現を工夫してください。
をちこちに道路工事や年の暮 ひろし
年末になるとよく見る光景ですが、それだけに「そうね」で終わってしまいそうな句です。「をちこち」が不要では?
冴え冴えと玉眼光る無著像 ひろし
「玉眼光る」の光るまで言わなくても良いと思います。「水晶の眼の冴え冴えと無著像」。
煤逃げの朝鮮美術訪ねけり
言いたい事はわかるのですが「煤逃げの朝鮮美術」がとても不正確だと思います。「煤払いさぼって美術館めぐり」とか「煤逃げの身をあたためん昼の酒」とか原句のままだと言葉の詰め込みすぎのようです。
(律)