まいまい句会感想②
雪の中ラジオが雪を告ぐ畑 一穂
俳句は大勢の人が目にするものです。その為には多くの人の共感を得る事が大切です。推測するにこれは雪国の剪定の作業を詠んだものだと思いますが、雪の中でなぜラジオをつけて畑仕事をするのか解らない人の方が多いと思います。
湯たんぽや畳にありて冬の海 一穂
この句も解りませんでした。湯たんぽが布団からでて畳の上に転がってしまったという事でしょうか。
寄合を終へて家路の冴返る 雅宏
「寄合を終へて家路」が報告です。季語を「春の星」「天の川」「天高し」なにを置いても一応俳句になってしまいます。
まだ嶺に残る雪あり伊吹山 雅宏
これも「伊吹山」でなくて「弥彦山」「鳥海山」なんでも良いのでは。つまり「まだ嶺に残る雪あり」が只事だからです。
輝きの雨粒のせて冬木の芽 百合
すなおに「冬木の芽雨粒のせて輝けり」としたほうが季語が生きると思います。
鉄骨の霜とかしゆく逢瀬かな 文女
意味が解りません。このまま読むと逢瀬が鉄骨の霜を溶かしているという事になります。
春あられ木造船を真二つ 文女
春あられが木造船を真二つにしたと言う事でしょうか。「木造船は真二つ」と置けば少し自然になります。
下萌えを探る鼻先黒き犬 淳枝
不必要な言葉が多すぎ俳句が面白くありません。なぜ下萌えを探るのか?また犬が黒いと言う必要があるのか。
逆縁の嘆きの雨や多喜二の忌 淳枝
逆縁に嘆きの雨は言い過ぎでは。
(立)