蓴菜採り吟行


今年もまた、蓴菜採りの吟行をしました。青空の下とても気分の良い時間を過すことが出来ました。
蓴菜は、睡蓮などと同じように葉を水面に浮かべ、きれいな湖沼で自生します。いまごろの若芽を摘んで食用にしますが、若芽はゼラチン質で覆われているために摘みにくくなかなか根気のいる仕事です。男たちが作った二人乗りほどの蓴菜筏に乗って、少しづつ移動しながら採取します。竹の長柄に括りつけた鎌を操って、深いとろにある若芽を手繰り寄せます。
池は村の人々が昔から守ってきたもの。蓴菜をとるのはこの村に住み、一家から一人しか参加できない決まりです。それでも、気の良い地元の方が取り残しの蓴菜ならよいから、摘んで行きなさいと声を掛けてくれました。
ゼラチン質の若芽の脇に小さな赤い花芽がついています。蓴菜の葉の上に乗った米粒の半分くらいのオレンジ色の虫も発見。刺されると痛いとのことです。また、あのゼラチン質は意外とさらさらとしていることなど、吟行ならではの収穫が沢山ありました。(立)
きらきらと蓴菜採りの長柄鎌
隠沼(こもりぬ)のごとく蓴菜沼はあり 藤子
話しつつ遠ざかりゆくぬなは舟
一本の竿で引き寄す蓴菜(ぬなは)かな 立
入相の掟のぬなは摘みにけり
蓴菜のずしりと重きバケツかな 松太
