梅咲いて膝のリハビリはじまりぬ 田村文孝
春泥や一人暮らしを灯しては 成田帆里
一人暮らしの小さな家に灯がともる。春泥に映える小さな家あかり。(m)「季語 春泥(春)」
剪定や安達太良山を眺めつつ 田村文孝
上五を「や」で強く切って、下五は「眺めつつ」と流している。俳句の一つの形、覚えておきたい形でもある。(m)「季語 剪定(春)」
蝌蚪あそぶかすかに水を乱しては 石川桃瑪
山道を歩いていると、道にできた水たまりにおたまじゃくしの群れを見ることがある。水はやがて蒸発するのだろうが、それまでにみな成長して蛙になれるのか、そんなことを考えさせられる。「かすかに水を乱す」からには句の蝌蚪も、たぶん、浅い水の中で遊んでいるのだろう。(m)「季語 蝌蚪(春)」
春泥となる葭小屋のまはりかな 山本洋子
俳句はこれでいい、という覚悟が感じられる一句、俳句に複雑な描写は必要ない。(m)「季語 春泥(春)」
太陽の光のかけら蕗の薹 長井亜紀
湯屋まではぬれて行きけり春の雪 来山
水分の多い春の雪がばさばさとふっている。雪の冷たさと湯屋のあたたかさ、コントラストの俳句でもある。(m)「季語 春の雪(春)」





