使ってみたい季語7 安居
歳時記に親しんだ方は何か厄介で敬遠するかもしれませんし、聞きなれない季語と思われる方も多いいと思います。
安居はサンスクリット語(梵語)で雨に関する意を訳したもの。インドで始まった安居の本来の目的は雨期に活発になる草木や昆虫、小動物に対する無用な殺生を防ぐため、一定期間ひとところにこもって修行しようというもの。釈迦在世中より始まったとされ、現在でも禅宗ではその修行が続いています。安居に入る「結制」は旧暦の四月十六日ころ、安居が明ける「解夏」は旧暦の七月十五日ころ、供えられる仏華を「夏花」、写経を「夏書」といいます。この期間修行僧たちは寺から一歩も外に出ず修行に精励します。
解夏、夏花、夏書、などの他に夏籠、安居寺などの季語があり、意味を理解すると案外使いやすい季語です。自分の生活に少し引きつけてみるのも一つの方法かもしれません。
しばらくは滝に籠るや夏の始め 芭蕉
夏籠や月ひそやかに山の上 村上鬼城
安居とは石あれば腰おろすこと 高浜虚子
飲食のもの音もなき安居寺 篠原鳳作
夏行して磨り減らしたる硯かな 長谷川櫂
(立)
