使ってみたい季語3 端居
縁側などに出て涼を求めるのが「端居」である。「端」とは家屋の端という意味で、縁側のようなところをいう。家のなかの取るに足らないところであるが、その取るに足らないところが涼しいのであり、取るに足らないところが現代では贅沢なつくりになるからおもしろい。扇風機やエアコンでは味わえない風情、風呂から上がって浴衣に着替えて涼しい風をいただく、ぜいたく場所でのぜいたくなひとときであろう。「納涼(すずみ)」は外に出て涼を求め、端居は家にいて涼を得るのである。
端居してただ 居る父の恐ろしき 高野素十
無言の父の圧力、昔の家長制を象徴するような父親象である。
端居して仏となる日待つごとし 鈴木真砂女
こちらは、悟りをひらいたような端居。
しみじみと端居の端といふところ 鷹羽狩行
この「しみじみ」は心が一番安らぐということ。「端」とはそういう場所であろうか。(kinuta)
