季語散策12 「西瓜割り」と「西瓜」

昼寝から覚めた時の冷たい西瓜は何より嬉しいものでした。今のようにクーラーなどない時代、扇風機をまわしながらお盆に盛られた西瓜を兄弟や近所の遊び仲間と食べたことは、今でも懐かしい思い出の一つです。
一方、臨海学校の付きものといえば西瓜割り。思い切り棒を振り上げ西瓜にあたった時の感触は忘れられません。
ところで、「西瓜割り」は夏の季語で、「西瓜」は初秋の季語ということをご存知でしたでしょうか。「西瓜割り」は海水浴に伴う遊びで夏の季語、「西瓜」は昔、秋に多く出回ったので、秋の季語になっています。
矛盾しているようですが、季語の季節感は時代と共に移り変わるもの、いずれは歳時記も修正する必要があるのかもしれません。(立)
——-
目隠しの中も眼つむる西瓜割 中原道夫
西瓜割り終へし目かくし父が外す 鈴木貞雄
西瓜割る亡き子いつでも駈けてをり 加藤秋邨
*
人顔の西瓜提灯ともし行く 高浜虚子
刃に触れて皹走りたる西瓜かな 長谷川櫂
西瓜切るすぐに帰るといふ人に 西村和子
