季語散策7 風鈴

涼やかな音を得るための小さな吊鐘のこと。なかに風鈴を鳴らす舌がある。その舌に短冊を吊って風を受けやすくする。鉄やガラス、陶器、貝などで作ったものがある。鉄は南部風鈴、ガラスは江戸風鈴が有名。
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病室の竹の風鈴鳴りにけり 今井杏太郎
病人の心に響く竹のやさしい音である。
風鈴にとりとめもなき思ひかな 西村和子
家計のこと、夕飯のこと、テレビ番組のこと、夫のこと、父母のこと、そして俳句のこと、次々に思いがめぐる。
風鈴に何処へも行かず暮しけり 高橋淡路女
何処へも行かぬ暮らしが涼しい暮らし。
風鈴やとかく話の横にそれ 鈴木真砂女
「風鈴」と「女の暮らしぶり」、この取り合わせがいい。
吊ればすぐ鳴る風鈴のうれしさよ 岩井善子
風鈴にも志があるごとく。
幾千の駅の風鈴鳴りにけり 村上いとこ
ちょっと大げさなところがいい。(松太)
