一句を読み解く20

大寺を包みてわめく木の芽かな 高浜虚子
俳句を読み解くのに箇条書きにしてみるのもいい。
①木の芽が大寺を包むというのは不正確。「大寺を包むがごとき木の芽」と直喩を使うのが自然な形。
②ではあるが、直喩にせず、いきなり「大寺を包みて」と言ったことで、多くの樹木に囲まれた寺であることが分かる。
③「わめく」は大げさ。これも「わめくがごとき」が穏やかな形。
④ではあるが、「わめく」と言い切ることで、木の芽の生き生きとした生命力が描かれる。
⑤二つの大げさな表現によって木の芽をもののけのように描いた。つまり、擬人法の俳句である。
⑥「包む」「わめく」と二つのにぎやかな動詞が、むしろ、逆説的に大寺の閑けさを表現している。(kinuta)
