水仙

先日の句会の席題に「水仙」があった。
ぼんやりと越前岬を思い浮かべるも、私の頭の中では、追い詰められた犯人が犯行を自供している。また水仙は、晩春の山菜取りの時分に土手の上にわらわらと群れている物としか認識が無い。これでは、水仙をノビルと称して食べさせた殺人事件のストーリーが完成してしまう。いけない、いけない。水仙・・・水仙・・・。
覗きこめるような湖も無く、またうっとりするほどの容姿ではない。頭を抱えていたところ「冬の水仙は、とてもよい香りなのよ」と、教えていただいた。
どんな香りなのだろう?
次の日、水仙を買った。親指の爪くらいの花が七輪ばかり。甘さが濃く、ほんのちょっと鼻の奥がツンとした。確かに「家中に漂う香り」ではなかった。反省、反省。
水仙の香りは、そこはかとなく玄関をふわりふわりと浮かんでいるようだった。(ばんび)
