寒卵二つ置きたり相寄らず 細見綾子
二つの卵が少しはなれて卓に置かれているのだろう。それを、「相寄らず」という否定形で力強く描写してみせる。「相寄らず」が俳句の言葉の力。まるで、磁気が働いて反発しあっているかのようだ。「寒卵」の「寒」という無音の響きが聞こえてくる。『冬薔薇』(きぬた)
二つの卵が少しはなれて卓に置かれているのだろう。それを、「相寄らず」という否定形で力強く描写してみせる。「相寄らず」が俳句の言葉の力。まるで、磁気が働いて反発しあっているかのようだ。「寒卵」の「寒」という無音の響きが聞こえてくる。『冬薔薇』(きぬた)