まいまい句会感想①
泊船の水吐く音や夏きざす 文夫
頂いた句です。季語の「夏きざす」でもよいのですが、もう少し句の印象を鮮明にした方がよいと思います。「泊船の水吐く音や明急ぐ」。
いち早く田水の中の蛙かな 文夫
少し句に勢いが欲しいところ。いち早くを生かして「いち早く水田を遊ぶ蛙かな」。
職場まで一駅歩く夏近し 智生
意味も解るのですが少し散文的だと思います。「薫風や一駅歩き職場まで」。
もう少し夜ざくらのなか焼きりんご 川崎伸治
下五の「焼きりんご」がなんともとってつけたような感じです。
薫風や研ぎて鋼の匂い立ち いつせ
季語の「薫風」は嗅覚の季語。下五の「匂い立ち」とぶつかってしまいます。また、鋼とありますが、具体的に言ったほうが句のイメージがはっきりとするのではないでしょうか。「研ぎあげて包丁匂ふ柿若葉」。
(律)