面白いとか寂しいとかは生の感情、俳句で、そうした感情を表に出すのは慎重に、などと教えられたことがないだろうか。芭蕉の句にはそうした感情をあらわにした句が意外と多い。(m)
おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな
おもしろき秋の朝寝や亭主ぶり
霧時雨富士を見ぬ日ぞ面白き
鷹一つ見付けてうれし伊良古崎
悲しまむや墨子芹焼を見ても猶
秋風に折れて悲しき桑の杖
義仲の寝覚めの山か月悲し
ぴいと啼く尻声悲し夜の鹿
さびしさや華のあたりのあすならう
憂き我をさびしがらせよかんこどり
こちらむけ我もさびしき秋の暮
元日やおもへばさびし秋の暮 芭蕉