まいまい句会感想②
猪鍋を食うて齢を重ねけり 文夫
此方も前句ほどではありませんが、もう少し推敲して「食うて」という条件付けをとる工夫を。例えば「また一つ齢を重ね薬食」
諭されて籠れる犬の夜長かな 斉藤慎哉
此方も一寸叱られた犬がすごすごと自分の居場所に戻り、長い夜を過ごしています。と言う感じで「何が何して何とやら」を抜け出ていないようです。「諭されて目をつぶる犬小六月」くらいでは?
冬麗や香煙靄る泉岳寺 雅宏
同じ作者に金閣寺の句がありましたが、この句も討ち入りと泉岳寺の関係が見て見て取れます。「冬麗や煙を上げて大香炉」
トーストを厚切りせん今朝の冬 以と
トーストはパンを焼く事もしくは軽く焼いたパンの事です。それを厚切りとは?言葉の順序が反対なのではないでしょうか。「厚切りのパンをトースト今朝の冬」ではないでしょうか。でも、気分だけだ面白くありません。せめてトーストのバタ―の香りぐらいは言ってほしいと思いますが、そんな句は山ほどあります。もっと自分の感じた事を大切にして句を作って下さい。
飛石も苔もたちまち紅葉れる 以と
この句も飛石が紅葉れるとは?たぶん紅葉した葉で飛石も苔も覆われてしまったと言う事だと思うのですが、それでしたらそのように詠むべきではないでしょうか。例えば「庭中を埋め尽して紅葉かな」とか。
(律)