まいまい句会感想①
盆舟のすぐに流れぬ未練かな かまか
「未練かな」に工夫を。ふだん使う言葉でも「未練」には良いイメージがありません。これは言葉へのセンスの問題。ましてや俳句は作品にして人様に読んでいただくもの。「惜しみつつ精霊舟の流れゆく」
砂浜に続く足跡夏の果 ひろし
映画のワンシーンのような感じですが、「夏の果」ですといかにも夏が終わったと報告をしている感じがあります。「砂浜に続く足跡今朝の秋」
湧水に桃を冷やせり無人店 ひろし
よく目にする風景ですが「無人店」が余計です。以前何度もこのコーナーで書きましたが俳句は全て言い尽くして良いものでもありません。日本画のように余白をたっぷり持たせる事が大切。その余白が読み手の想像を掻きたて、句の余韻にもつながってきます。
(律)