まいまい句会感想①
柳刃が砥石を滑る涼しさよ 百合
これでも良いのですが、ちょっと散文的な感じがします。「さらさらと砥石を滑る刃の涼し」
青簾小雨の中を下駄の音 百合
この句も出来ているのですが、例えば「青簾小雨を走る下駄の音」として動きを出すとか
もう一歩表現の工夫をなさると良いと思います。
芯立てて迫り出す松の男振り 文夫
「毛虫焼く男の腰に鎌一丁」でも指摘がありましたが、この句も「男振り」が不要です。例えば「水の上に枝迫り出して松の芯」で良いのでは。「芯立てて」の「立てて」も不要です。松の芯は概ね真っすぐに立っていますから。
虹仰ぐ離島にかかる長き橋 森本哲雄
少し説明的な言葉が多いようです。「虹立つや島から島へ長き橋、離島へかかる長き橋」」
黒髪の光りて浮ぶ鮑取 森本哲雄
「黒髪が光りて」に違和感があります。「黒髪の海よりあがる鮑取」
(立)