鳥雲に湖をはなるる湖西線 片山由美子 大呂俳句会 投稿日:2018年3月9日 作成者: dvx223272018年3月9日 北方に帰る鴨や雁、鶴などが、春の淡々とした雲に隠れて見えなくなるのが「鳥雲に入る」である。去り行く鴨や雁を惜しむ思いと、春の訪れに安堵している思いとが交錯する季語であろう。句は、湖西線を走る列車が湖のほとりを離れるという。帰る鳥を惜しむ思い、湖の風景を惜しむ思い。どことなく春の愁いを感じさせてくれる一句である。(m)