一句を読み解く 213 大呂俳句会 投稿日:2018年1月8日 作成者: dvx223272018年1月8日 建長寺様の木の葉は空にあり 今井杏太郎 即物的に詠むということは、情報量をできるだけ少なくするということでもある。この句の場合は「空にあり」という描写がそれにかなっている。情報もっと詰め込もうとすれば、 建長寺様の木の葉は風に舞ひ くらいになるのだろうが、情報を与えすぎたことで句が凡庸になってしまっている。「空に舞ひ」から「空にあり」までの距離、簡単に跳び越えられそうな距離のようにも見えるが、これがどうして、なかなか至難な距離でもある。推敲の険しく遠い距離と言ってもいいであろう。(m)