冬の蜂落ちて息してゐたりけり 右城暮石
俳句の技法に「写生」というものがある。目の前にあることを正確に写しだすことで、絵画の写生に基づいている。暮石の句、一見、その写生に適っているようであるが、正確には写生ではない。落ちてまだ動いている蜂を「息してゐる」と感覚で捕らえている。「蜂の息」が写生を越えた想像力である。写生を一歩越えたリアリティもまた味わい深い。(m)
俳句の技法に「写生」というものがある。目の前にあることを正確に写しだすことで、絵画の写生に基づいている。暮石の句、一見、その写生に適っているようであるが、正確には写生ではない。落ちてまだ動いている蜂を「息してゐる」と感覚で捕らえている。「蜂の息」が写生を越えた想像力である。写生を一歩越えたリアリティもまた味わい深い。(m)