一句を読み解く 185 大呂俳句会 投稿日:2015年4月24日 作成者: dvx223272015年4月24日 春昼の指とどまれば琴も止む 野沢節子 「指とどまれば琴も止む」は主観を排除した描写で、その結果、他人事のように突き放した言い方になっている。主観を排除していながら、描かれた内容にはどことなく主観が感じられるから不思議である。「あれ、指が止まると琴は鳴り止むんだ」、そんな小さな驚きが伝わってくる。主観を排除していながら、思いたっぷりの俳句、「春昼」と言う季語がよく働いている。(m)