たて書きの詩のごとくあり花きぶし 和田順子
「ごとく」が使われた直喩の俳句である。きぶしの花を知っていれば、なるほどうまいことを言うものだ、ということになる。きぶしの花を知らなければ、ちんぷんかんぷん、何のことだろうということになる。「何のことだろう」ということで、そのままお開きになりやすいものだが、一歩踏み込んで、知らないものを調べてみるのが俳句では大切である。字数が限られた俳句では、単語一つの意味不明が命取りになる。俳句を詠もうとおもったら、他人の俳句を正確に読むことからはじめなければならない。(m)