まいまい句会感想
降り止まぬ新雪町を支配して せさみ
今年初めて降る雪のことを言ったのだと思いますが、今ふっている雪を新雪というのは少し無理のような気がします。支配という言葉も硬いのではないでしょうか。
拝殿に巫女ふる鈴や淑気満つ ひろし
言葉を入れ替えるとなめらかになります。拝殿に鈴ふる巫女や淑気満つ/拝殿の巫女の鈴音淑気満つ など
濃い化粧成人式の同じ顔 せさみ
昨今の成人式を見ていると、作者の気持ちは理解できますが、俳句の基本はやはりめでることではないでしょうか。ほのぼのと眉を描きて/いつもより濃いめの紅を/など表現に工夫を。
太箸の一膳ふえてめでたかり あらた
高点句ですが、めでたかりが不要。太箸にはめでたい意味が十分に含まれています。今年より一膳ふえて雑煮箸
初日記十年生くること約し 春生
この日記は一年ごとの日記ではなく、一冊で十年間の書き込みが出来る日記なのでしょうが、読む人は其処まで読んでくれません。
朗報に話わき立つ花の春 くに
季語がつきすぎです。もう少しはなれた季語を。朗報が具体的にわかるともっと良いと思います。
若き娘の弾む言の葉春隣 くに
弾む言葉やと切れを入れるとすっきりします。
米こぼす紙面に子らの飢えし顔 春生
季語が入っていません。理屈の勝った句になってしまいました。
りつ