贅沢
伽羅蕗を頂いた。あの真っ黒な伽羅蕗と当座煮の中間くらいのもの。鷹の爪がぴりりと心地よい。
話をしているうちに随分と高い伽羅蕗であることがわかった。水は一滴もいれず、酒と醤油だけで炊いたものだ。その酒もなんと飲んべいがよだれをたらしそうな越後村上の銘柄。醤油も遠方より取り寄せたものらしい。
蕗はどこにでもあるが、採る場所採る時期にこだわったとのこと。野にある蕗はただでも、見えないところに随分と手間と費用をかけている。もちろん美味しい。過ぎて行く季節をおしみつつその季節の恵みを存分引き出しそれを味わう。いたずらにデコレーションされたものよりも、そのものが持っている本質に触れる。それは料理に限らず、何ごとにも通じるようだ。本当の贅沢とはそういうものではないだろうか。(立)
