一句を読み解く151
水打てば夏蝶そこに生れけり 高浜虚子
蝶がそこに羽化したというのではない。蝶がふとそこにあらわれたということ。「水打てば」の「ば」は、文法でいうなら、「順接」の「ば」である。「何々したから~こうなる」「何々すると~こうなる」という叙法である。順接は、句に因果関係を生じさせる。ゆえに、「水打てば涼しくなる」というような、発想では理屈に陥る。「蝶が生まれる」というような飛躍が大事なのである。(松)
水打てば夏蝶そこに生れけり 高浜虚子
蝶がそこに羽化したというのではない。蝶がふとそこにあらわれたということ。「水打てば」の「ば」は、文法でいうなら、「順接」の「ば」である。「何々したから~こうなる」「何々すると~こうなる」という叙法である。順接は、句に因果関係を生じさせる。ゆえに、「水打てば涼しくなる」というような、発想では理屈に陥る。「蝶が生まれる」というような飛躍が大事なのである。(松)