今日の季語_初鰹
【鑑賞】
目には青葉山ほととぎす初鰹 素堂
季語が三つも入った季重なり。その上「切れ」が二箇所の三段切れ。どちらも俳句ではいけないと教えられるが、素堂の句は名句として伝えられている。初鰹を導き出すための青葉であり、ほととぎすである。三段切れの小気味よさが「初鰹」の生きの良さというところか。
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初松魚
【関連季語】
鰹
【解説】
鰹は、四月から五月にかけて黒潮に乗って北上する。初夏、伊豆沖あたりで獲れるのが初鰹。昔は、その鰹を生きたまま江戸まで運んだ。江戸っ子たちは値の張るそれを競って求めた。初鰹は、江戸で生まれたの季語である。
【分類】
初夏・動物
【例句】
目には青葉山ほととぎす初鰹 | 素堂 |
鎌倉を生きて出でけむ初鰹 | 芭蕉 |
大江戸や犬もありつく初鰹 | 一茶 |
江戸つ児は江戸でうまれてはつ鰹 | 子規 |
初鰹男ばかりで囲みたる | 宇多喜代子 |
上の句はなんであらうと初松魚 | 加藤郁乎 |
初鰹糶の氷片とばしけり | 皆川盤水 |
初鰹襲名いさぎよかりけり | 久保田万太郎 |
江戸亡ぶ俎に在り初鰹 | 高浜虚子 |
みどり葉を敷いて楚々たり初鰹 | 三橋鷹女 |
初松魚羽が生えたり江戸の空 | 正岡子規 |
めでたかり出刃打ちこんで初鰹 | 石川桂郎 |
初鰹夜の巷に置く身かな | 石田波郷 |
断つほどの酒にはあらず初鰹 | 鷹羽狩行 |
水はじき鉄のごとしや初鰹 | 鷹羽狩行 |