一句を読み解く148
春の夜や籠人ゆかし堂の隅 芭蕉
笈の小文の一句。前書きに「初瀬」とある。初瀬は奈良県桜井町で長谷寺のあるところ。句も長谷寺のひとこまを詠んだものである。
「籠人(こもりど)」は参籠して恋の成就を願う婦人とされるが、限られた十七文字からそこまで読み取ることは難しい。お堂の隅でひっそりと恋の成就を願うひと、春の夜の趣ともあいまって、なにやら心惹かれることよ、という一句である。(松)
春の夜や籠人ゆかし堂の隅 芭蕉
笈の小文の一句。前書きに「初瀬」とある。初瀬は奈良県桜井町で長谷寺のあるところ。句も長谷寺のひとこまを詠んだものである。
「籠人(こもりど)」は参籠して恋の成就を願う婦人とされるが、限られた十七文字からそこまで読み取ることは難しい。お堂の隅でひっそりと恋の成就を願うひと、春の夜の趣ともあいまって、なにやら心惹かれることよ、という一句である。(松)