一句を読み解く141

足踏みの好きな仔馬でありにけり 石田郷子
春に生まれた仔馬である。馬は前年の春に受胎し、約一年間かけて出産する。生まれてすぐに立ち上がり歩きまわるようになる。
句は、何のけれんみもなく、仔馬を足踏みだけで捉えている。「足踏みをしている仔馬」では当たり前、「好きな」という一語が句に躍動感を与えている。
何々の好きな仔猫でありにけり
何々の好きな蛙でありにけり
何々の好きな小鳥でありにけり
何々の好きな椿でありにけり
何々の好きな蜻蛉でありにけり
などなど、いろいろ応用できそうである。(松)
