一句を読み解く215 大呂俳句会 投稿日:2018年7月8日 作成者: dvx223272018年7月8日 雨雲に誰籠るらん夏の山 岩井善子 前書きに「立石寺四句」とあるうちの一句である。この句の季語は「夏の山」であるがそれとは別にもう一つの季題が見え隠れしている。「雨雲に誰籠る」とあれば当然「夏安居、雨安居」に思いが及ぶ。季語である「夏の山」を取って「雨雲に誰籠るらん立石寺」としても無季にはならない。(m)
松風の音も夏越や能舞台 容子 大呂俳句会 投稿日:2018年7月7日 作成者: dvx223272018年7月7日 風音に夏越のころの季節感を感じている。佐渡に点在する鄙びた数々の能舞台が目に浮かんでくる。_ネット句会より(m)
いつのまに真上に来し日冷し瓜 大峯あきら 大呂俳句会 投稿日:2018年7月5日 作成者: dvx223272018年7月5日 正午の太陽である。それを回りくどく言うと「いつのまに真上に来し日」ということになる。回りくどく言う、これも俳句の技の一つ。(m)
島々や千々に砕けて夏の海 芭蕉 大呂俳句会 投稿日:2018年7月3日 作成者: dvx223272018年7月3日 奥の細道の松島での句であるが、「奥の細道」には採用されていない。「島々は」ではなく、「島々や」と強く切っているところに注目したい。(m)
ざぐざぐと切つてあるだけ夏料理 関根千方 大呂俳句会 投稿日:2018年7月2日 作成者: dvx223272018年7月2日 「ざぐざぐ」というオノマトペから野菜を盛りつけた夏料理であることが分かる。簡単が一番、簡単こそが涼やかである。(m)
金魚屋の水とんがりてゆれてをり 上野章子 大呂俳句会 投稿日:2018年7月1日 作成者: dvx223272018年7月1日 天秤棒を担いだ金魚売であろうか。「水とんがりて」が面白い。漫画のひとこまを見ているようである。(m)
甚平や死ぬる大事をまだ残し 栗島弘 大呂俳句会 投稿日:2018年6月30日 作成者: dvx223272018年6月30日 生きていれば誰しもが「死ぬる大事をまだ残し」ている。かなり深刻な宿命ではあるが、季語「甚平」の働きがその深刻さを和らげて、飄々とした雰囲気を醸し出す。季語がよく働いている一句である。(m)
還俗や酒に来る蚊を手にはらひ 大呂俳句会 投稿日:2018年6月29日 作成者: dvx223272018年6月29日 「還俗(げんぞく)」は、僧が俗世に戻ること、酒を飲んんで酒臭くなった男に蚊が来ている。「還俗や」という切り込み方が味わい深い。(m)
まあいいか少しうるさいグラジオラス 川崎展宏 大呂俳句会 投稿日:2018年6月28日 作成者: dvx223272018年6月28日 「まあいいか」は作者のつぶやき、それをうまく俳句に取り込んでいる。グラジオラスの少しうるさい縦に並んだ花である。(m)