季語散策22 法師蝉

晩夏から初秋にかけて鳴く。みどりがかった体に透き通った羽根を持つ。鳴き声がツクツクホーシツクツクホーシと聞こえる。
| 今尽きる秋をつくづくほうしかな | 一茶 |
| さめてゆく土のぬくみや法師蝉 | 阿部みどり女 |
| 法師蝉啼く日となりて妻は亡し | 臼田亞浪 |
| 法師蝉渚といふも巌ばかり | 下村槐太 |
| うちまもる母のまろ寐や法師蝉 | 芝不器男 |
| 死出の足袋足にあまるや法師蝉 | 角川源義 |
| 法師蝉厨は急ぐ夕支度 | 吉屋信子 |
| 法師蝉藍甕の香が街道に | 細川加賀 |
| 法師蝉しろがねのこゑ放ちけり | 小川軽舟 |
| 約束のなき日は楽し法師蝉 | 星野立子 |
| また微熱つくつく法師もう黙れ | 川端茅舎 |
| 茶菓出でて後は静かに法師蝉 | 中村汀女 |
| 遠くゐて近きかなしみ法師蝉 | 藤崎久を |
| 死顔に眼鏡ありけり法師蝉 | 飯田龍太 |
| 法師蝉醤油を醸す風の中 | 友岡子郷 |
| 夕雲はなべて横雲法師蝉 | 鷲谷七菜子 |
