4月大呂ネット句会感想
1 弓絞る娘の指細し桃の花
「指細し」が瑣末的な説明に終わっているようです。もっとざっくりと表現したい。「きりりと弓絞る少女や桃の花」
2 常念岳の肩に槍ヶ岳の穂はだれ雪
「じょうねんのかたにやりのほ」と読ませるのでしょうか。あまり複雑な読ませ方は、俳句の速度を鈍らせます。
3 塩の粒すぐ透きとほる桜鯛
この「透きとほる」も瑣末的な説明。もっと大胆に。「粗々と塩ふりかけて桜鯛」では面白くないのでしょうが、そこが出発点。
4 独り子に抱かれてゐる恋の猫
「独り子」が効果不発。
5 水車村中響く春の音
「春の音」は上五中七と「イコール」の記号で結ばれた説明。たとえば「村中に水車の響く朧かな」
7 駄菓子屋の廻りつづける風車
「駄菓子屋」の方を修飾する。季語である「風車」は修飾せずにぽんと単独で置く。「駄菓子屋に下駄の音あり風車」、それにしても、「駄菓子屋」と「風車」はつきすぎ。
8 春の雲遥かなること近きこと
分かったようでよく分からない句。
9 きらきらと川面光れり桜餅
「きらきらと川面光れり」は平凡、これを平凡な句にしないのが「桜餅」の季語の力。
12 のろのろと猫車押す日永かな
何のために「猫車」を押すのか、そこを省略したら駄目。「客土して猫車押す日永かな」
13 揚げたてを一つつまみぬ蕗のたう
蕗の薹でなくても句は成立するが、やはり蕗の薹がいい。
15 同じ道行きつ戻りつ春の宵
なんのために「行きつ戻りつ」なのか。心の動きが分かる季語を。「この道を行きつ戻りつ春惜しむ」
16 響かせて雪吊を解く大鋏
「鋏を響かせて」が正しい日本語。その正しい日本語に割ってはいるのが「雪吊を」。リズムを整えようとして、言葉をゆがめては駄目。「雪吊を解くや鋏を響かせて」
18 つちふるや赤べこの首よく揺るる
「揺る」が終止形で、「揺るる」は連体形。「揺るる」の後に何か体言(名詞)が省略されています。どんな体言か考えてください。
19 春風や馬のいななく昼下がり
だからどうした、というような句。「昼下がり」が無駄な言葉。「はるかより馬のいななき春の風」
20 クローバー四葉あつたと笑ふ君
発想が安易。
21 ぎざぎざの葉にくるまつて桜餅
「貼りついて」がいい。
22 春泥やわが生涯は愚の一字
悲観しすぎるとかえって空々しくなるもの。
28 天守閣の濡れ羽の色に春の雨
「濡れ羽の色に天守閣」が落ち着きます。「春の雨濡れ羽の色に天守閣」
29 つばくらやするりと抜けて太鼓橋
「や」ときらないほうが自然。「つばくらのするりと抜けて太鼓橋」
30 梅未だ咲かぬ嘆きや弥生尽く
「弥生尽く」と置くから理屈になる。「梅いまだ咲かぬと風の嘆きかな」
(kinuta)
