季語散策40 陽炎

*
野馬、糸遊、遊糸、陽炎燃ゆ、陽焔、かげろひ、かぎろひ
【解説】
春、大地からたちのぼるゆらゆらとした蒸気である。風景やものが揺れているように見える。
【分類】
三春・天文
——-
枯芝やややかげろふの一二寸 芭蕉
春先のあるかなしかの陽炎。
ちらちらと陽炎立ちぬ猫の塚 夏目漱石
猫の魂のような陽炎。
汽車道に陽炎たちてゐたりけり 鈴木花蓑
鉄道線路に立った陽炎、「汽車道」という言葉がめずらしい。
陽炎や蝶のいきする石の上 寺田寅彦
蝶の息が幻想的。
掛けられて陽炎となる蓑一つ 長谷川櫂
京都嵯峨野落柿舎の入口にかけられた蓑。
