一句鑑賞_冬の生活 10

来る人に灯影ふとある雁木かな 高野素十
雁木は現代のアーケードとは目的は同じでも、その様式は全く違う。雪の多い地方では通路の上に雪除けのため軒を張り出す。本来、家の軒は各々高さが違いそのため高低差のある連なった軒が続くことになる。それを雁行にみたてて「雁木」といったものである。道路側にも雪が積まれと、人々は雪のトンネルの中を行き来するような生活を強いられる。昼でも暗いため多くは灯りをつけての生活となる。日の光の乏しい毎日であるが、雪の中の灯りは包み込むように、ほのぼのとやさしい。(立)
