まいまい句会選句結果 8月
今回のトップは4点句、
うすものを草書のやうに着こなせる 松太
百台のサドル灼けをり模試会場 さら紗
あかがねの大仏冷ます夕立かな 松太
印象に残った句。
岩風呂にひらりと桐の一葉かな 百合
本当かな、と思わせる一句、俳句は嘘を詠んでもいっこうに構わないのですが、その嘘が本当らしくなくてはなりません。虚構であっても「実」は大切です。
百台のサドル灼けをり模試会場 さら紗
「模試会場」はまったくの蛇足。少し大げさに詠んで。「一万台サドルが灼けてゐたりけり」。どんな場所かは読む側の想像力にゆだねる。
来し方を母と語らん端居にて ひろやす
選句を怠けた人ですが、「端居かな」と切字を使う工夫を、「来し方を母と語れる端居かな」
団扇手に柱に凭れつつ老いぬ いつせ
この句も「団扇かな」と季語を生かす工夫を、「柱に持たれて老ゆる団扇かな」、字足らずはさして気になりません。
麻を着て茶房の隅にしづかに居 ひとみ
助詞を工夫して、「麻を着て茶房の隅をしづやかに」
(m)