今回のトップは6点句でした。
一塊の鉛のごとし寒の鯉 百合
寒鯉の存在感、類想があるかもしれません。
気になった句
畳みては拡げる文の夜長かな 冬菊
「畳みては拡げて」と対句にする工夫を。
獄門の如く鮟鱇吊るしけり 政代
受身形は句を弱くしますが、この句の場合は「吊るさるる」でもいいのかも知れません。
(m)
今回のトップは6点句でした。
一塊の鉛のごとし寒の鯉 百合
寒鯉の存在感、類想があるかもしれません。
気になった句
畳みては拡げる文の夜長かな 冬菊
「畳みては拡げて」と対句にする工夫を。
獄門の如く鮟鱇吊るしけり 政代
受身形は句を弱くしますが、この句の場合は「吊るさるる」でもいいのかも知れません。
(m)
選句しない人が7人でした。
不参加扱いにして空白欄にしました。いい俳句もあったのですが残念です。
今回のトップは7点句でした。
一本の棒となるまで鮭乾ぶ りつ
棍棒のような乾鮭です。
気になった句
稲刈機四角四角にすすみけり 茂樹
「四角四角に刈りゆける」がいい。
ロケ隊のカメラ廻れる花野かな 杳杳
「カメラ廻れる」がややトリビア、「ロケ隊が列なしてゆく花野かな」で充分。
(m)
今回のトップは8点句でした。
鰻筒かけて戻りし良夜かな 文夫
いい俳句です。大きな鰻が取れそうな予感。
気になった句
その中に殿方ひとり風炉名残 ひとみ
「風炉の名残」というめずらしい季語。ちょっとユーモアのある一句。
里神楽小笛へ応う牛の声 のび太
字余りを恐れずに助詞をしっかり使う。「里神楽の笛に応へて牛の声」
(m)
今回のトップは11点句でした。
この草も食べたことあり終戦日 政代
「終戦日」とおいてやや理屈の俳句になりましたが、「終戦日」でなければ成立しないような俳句でした。
気になった句
夕風の笹の葉さやぎ秋彼岸 石下文子
「秋彼岸」という季語がいい。むしろ「朝風」でしょうか?
冬瓜ののっぺらぼう抱く腰据えて いくよ
面白いのですが、「腰据えて」がよくない。ここまで言いますか、ということ。「冬瓜ののつぺらぼうを抱へゆく」。
(m)
今回のトップは5点句でした。
青春の日をさらしたる曝書かな せつこ
在りし日のまま縁側の籐寝椅子 松太
つなぎ脱ぎをんなにもどる藍浴衣 凡士
凡士さんの句意味不明。
今回、同じ俳号(一竿)のひとがおりました。選句をしなかった一竿さんの方は次回から参加しないでください。選句をしない人は三人、参加はご遠慮ください。
(m)
今回のトップは5点句でした。
美しき蝶かもしれず毛虫焼く 雅宏
唐枕の転がつてゐる畳かな 松太
水底に居るごと梅雨の坐禅堂 りつ
雅宏さんの句、「美しき蝶とならんや毛虫焼く」でもいい。
気になった句
唇に髪咥へさせ立反古 以と
「唇に」が不要、「怨念の髪を咥へて」。
風鈴や坐して帯解く夕ごころ 齋藤丁
このものうさ、むしろ晩春の季語がいいのかもしれません。
(m)
今回、選句していない方が2人。
今回のトップは7点句でした。
その中に団扇が一つ脱衣籠 松太
気になった句
板一枚田川にかかる植田かな すずめ
「田」という字が二つでわずらわしいところ。「板一つ流れにかかる植田かな」
老鶯のこゑ透きとほる雨上り 文夫
夏の鴬はうるさいくらいの鳴き声を上げるもの。いくら雨上がりといっても「透きとほる」というのは乱暴。
(m)
選句していない方が5人、選句していない方は次回の参加をご遠慮ください。
今回のトップは6点句でした。
深山の色そのままに草の餅 りつ
鄙ぶりのおいしそうな草餅、食べ物はおいしそうに詠むことが大切。
気になった句
鯉幟マストに揚げて出魚せり 凡士
「出魚」は「出漁」のことか。いずれにしても「出魚せり」が重い。「鯉幟マストに揚げて漁に出る」
てのひらに重さ伝はる柏餅 のるん
「重さ伝はる」では説明。「ずしり重たや」とするところ。
(m)
今回のトップは7点句でした。
のどけしや方位忘れし風見鶏 ふさこ
最高点でしたがよく分からない俳句です。
気になった句
蕗味噌や野に一筋の水光り 諸子
下五は「水光る」がいい。
走り来る犬の背春の陽の匂ひ さび猫
「犬の背」の「背」がトリビア、「背」を取り去って、「走り来る犬はのどかな日の匂ひ」
(m)
今回のトップは8点句でした。
棚田から棚田へ落ちて春の水 松太
気になった句
アレグロにしづくを春の氷柱かな ふさこ
「アレグロ」が工夫か。いい表現かどうかは別として、俳句を詠んでやろうという意欲が見られます。
方舟に乗り遅れさう大朝寝 以と
「方舟」が唐突ですが、この句も意欲がうかがわれます。ただ事を詠むくらいなら、これくらいの冒険が欲しいところ。
菜の花の光のさきに海光る 秋ひろ
この句は「光」を一つ取らないとだめ。「かぎりなく菜の花畑海光る」
(m)